視覚障害者も使えるiPhone・スマートフォン

アクセシビリティにも優れているiPhone。目の見えない方もストレスなく使えるように使い方から生活を助けてくれるようなアプリの紹介もしています。

iPhoneのVoiceOverを設定すると何ができるの?VoiceOverをもっと知ろう編

視覚障害を持つ人、特に全盲の人がiPhoneを使う場合、VoiceOver機能をオンにすることは必須の条件です。
iPhoneならこれらの機能が最初から標準で搭載されています。
わざわざ読み上げソフトを買わなくても良いのはとてもうれしいですよね。

前回「VoiceOverでもっと便利にiPhoneを使おう・基本の操作編」では、視覚障害者がiPhoneを使う時に絶対に覚えていて欲しい操作方法をお伝えしました。
今回はVoiceOverをもっと便利に使えるための細かな設定方法をご紹介していきたいと思います!

VoiceOverをオンにした時に設定できる項目

VoiceOverをオンにした時に自分好みに設定できる項目は以下の通りです。

  1. 読み上げ速度
  2. ヒントを読み上げる
  3. ピッチ変更を使用
  4. サウンドエフェクトを使用
  5. スピーチ
  6. 点字
  7. ローター
  8. 入力モード
  9. 欧文通話表フィードバック
  10. 入力フィードバック
  11. 常に通知を読み上げる
  12. イメージをナビゲート
  13. 大きいカーソルを使用

以上の13項目の設定ができます。
それぞれがどういうことが出来るのかと使い方を解説していきますね。

読み上げ速度

読み上げ速度を設定する画面。スライダーで調節できるようになっている

iPhoneが画面を読み上げてくれる時のスピードをスライダーで調節できます。

読み上げ速度の項目を選択したら、画面を2回すばやくタッチします。2回めにタッチした時、指を画面から離さないで左右にスライドすると読み上げ速度の調整ができます。
左にスライドするとゆっくりに、右にスライドさせると読み上げ速度が早くなります。

お好みの速度に調整してくださいね。

ヒントを読み上げる

VoiceOverを設定すると、画面が読み上げられることは散々ご説明してきた通りです。
でもどんなに読み上げてもらってもどのように操作すれば望み通りの操作ができるのかわからないと困りますよね。

ヒントを読み上げるをオンにすると、設定を切り替える時にどう操作すればいいのかのヒントをくれます。

例えば先ほど書いた読み上げ速度の調節をする時に、ヒントを読み上げるがオフの状態だと「読み上げ速度 50% 調整可能」までしか読み上げてくれません。
しかしヒントを読み上げるをオンにすると、それに加え「値を調整するには1本指で上または下にスワイプします」と、どのように操作すればいいのかまで教えてくれます。

VoiceOverの機能に慣れるまでは、ヒントを読み上げるの機能はオンにしておくと良いでしょう。

ピッチ変更を使用

これは画面を読み上げる時の声の高さを変更するかどうかを選択する項目になります。

画面を読み上げると一口に言っても、表示されているものを読み上げる時と文字入力をしている時や逆に入力した文字を消す時など様々な場面があります。
それらの様々な場面で声の高さが全部一緒だと、入力できたのか(あるいは消去できたのか)わからなくなってきちゃいますよね。

そういう時にこの設定をオンにしておくと、文字の選択をしている時は標準の高さ、入力の時は高い声、消去の時は低い声でそれぞれ読み上げてくれます。
ピッチ変更を使用はオンにして困ることはないので、オンにしておきましょう。

サウンドエフェクトを使用

こちらの設定をオンにしておくと、ボタンや項目などを選択した時にカチッっと音がしたり、読み上げが全て終わった時にポンっと音が鳴って読み終わったことをお知らせしてくれたりする機能の設定になります。

音でお知らせしてくれるのはとてもありがたいです。こちらもオンにしておいて損はありません。

スピーチ

こちらの項目では声の品質や、言語を選択できます。
購入した時に日本語に設定してあれば、こちらは特にいじる必要もないと思います。

なお、アクセシビリティの選択項目にもスピーチというのがありますが、それとVoiceOverで選択できるスピーチは違います。
同じ名称だからちょっとややこしいですね。

アクセシビリティから選べるスピーチについては、後日また別の記事を書きますので、それまでお待ち下さい。

点字

こちらは外付けの点字ディスプレイを使う時に設定するものになります。
点字ディスプレイを使用しない場合は特に設定しなくて大丈夫な項目です。

ローター

操作や文字入力をする時に、指を2本使いダイヤルを回すようなジェスチャーを画面上ですることで、様々な切り替えができるようになります。

ローターで選択した項目を実行したい場合は、ローターが機能を読み上げたあと一旦指を離し、一本指で上または下に指をスライドさせることで実行させることができます。

初期設定以外にも様々なオプションを設定することで、より自分好みにiPhoneの操作をしやすくなります。
この画面ではそのオプションを設定することができます。

具体的なローターの操作方法や設定できるオプションの話は、また改めて別の記事で紹介したいと思います。

入力モード

文字を入力する時にキーボードからどのような方法で入力するかを選べるモードになります。

  • 標準入力モード
  • タッチ入力モード
  • 直接入力モード

の3種類から文字入力モードを選べます。

入力モードを設定する画面

標準入力モードとは、左右に指をスライドさせてキーを選択し、入力したいキーのところでダブルタップすることで入力ができるようになるモードです。

タッチ入力モードは、キーを選択すると読み上げてくれ、指を離すと入力されます。標準入力モードと違ってダブルタップの必要はありません。

直接入力モードは、VoiceOverをオフにしている時と同じような操作感で文字入力ができます。つまり、キーを押すと自動的に文字が入力されます。
ただし直接入力モードを使用する場合は、入力時には音声読み上げがされません。

欧文通話表フィードバック

欧文通話表とはアルファベットで入力する時に、発音だけではわかりにくいBとPの違いやMとNの違いなどを単語とともに教えてくれることを言います。

選択項目は

  • オフ
  • 文字と欧文通話表
  • 欧文通話表のみ

の3種類から選ぶことができます。

オフを選択すると、アルファベットだけを読み上げます。キーボードのAを押したらAとしか言いません。

文字と欧文通話表を選択するとキーボードのAを押した時に「A Alpha」などとアルファベットと単語で教えてくれます。

欧文通話表のみを選択するとキーボードのAを押した時に「Alpha」としか言いません。

ご自分の入力しやすいモードを選ぶと良いでしょう。

入力フィードバック

文字を入力した時にどのように読み上げるかを設定できます。

  • なし
  • 文字
  • 単語
  • 文字と単語

の4項目から選べます。

入力フィードバックを設定する画面

なしに設定すると、キーの選択をした時だけ読み上げ、入力した時には読み上げません。

文字を選択すると、キーを入力した時ごとにそのキーを読み上げます。

単語を選択するとスペースや改行で入力した単語を読み上げます。

文字と単語を選ぶと、キーを入力した時にそのキーを読み上げ、さらにスペースを入力することで単語を読み上げます。

またこの設定はソフトウェアキーボード(iPhoneに予め搭載されているキーボードやキーボードアプリなど)と、Bluetoothなどで接続するハードウェアキーボードのどちらも設定できます。

常に通知を読み上げる

メールが届いたり、電話が着信した時、あるいはアプリからの通知があった時にそれを読み上げるかどうか選択できます。

こちらの選択はオンまたはオフのどちらかのみになります。

イメージをナビゲート

ウェブサイトを見ていると、写真やイラストなど多くのイメージ画像が使われていますよね。
画像によってはそれがなんの画像かを読み上げてくれるように設定してあるものもあります。
その画像の説明文を読み上げるかどうかの設定がここでできます。

  • 常にする
  • 説明付き
  • しない

画像の説明はいらないな、と思う人は「しない」を選択してください。

大きいカーソルを使用

VoiceOverをオンにすると、要素ごとに黒い枠でカーソルが表示されるようになります。
そのカーソルの線を太くするか細くするかをここで選択することができます。

オンにすると線が太くなり、オフにすると細くなります。

あなた好みにカスタマイズできる!

VoiceOver一つだけでもこんなに沢山の項目をカスタマイズできます!
書いているだけで私もその量の多さに改めて驚いてしまいました(笑)。

もちろん全部設定する必要はなく、ご自身にとってあると助かる機能だけを選択して、あとはオフにしておいても大丈夫!

自分の使いやすいようにカスタマイズできるのもiPhoneの魅力の一つです。
ぜひあなた好みのiPhoneにしてくださいね!

VoiceOverの基本の操作方法をおさらいしたいという方は、VoiceOverでもっと便利にiPhoneを使おう・基本の操作編のページを参考にしてください。

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